第1回【安全書類(グリーンファイル)とは?種類・提出時期・保管期間を解説】

第1回【安全書類(グリーンファイル)とは?種類・提出時期・保管期間を解説】

現場で毎日安全書類に追われている皆さん、こんにちは。RizzAssist(リズアシスト)です。私は現役の施工管理員として、安全書類の作成・提出を日々担当してきました。

「安全書類、何をいつまでに用意すればいいのか、いまだに把握しきれない」 「元請から言われた書類が、なぜ必要なのか分からないまま作っている」

そんな悩みを持つ、建設会社の現場担当者や小規模な協力会社の経営者の方に向けて、今回から「安全書類の基礎知識」を連載でお届けします。第1回は、安全書類の全体像を整理します。

安全書類(グリーンファイル)とは

安全書類とは、建設工事を始める前に、下請企業が元請企業に提出する書類一式の総称です。現場では「グリーンファイル」と呼ばれることが多く、工事の規模や元請の方針によって、30種類近くの書類が求められることもあります。Source

書類には以下のような情報が含まれ、元請・下請の間で「誰が・どんな工事を・どういう体制で行うか」を共有する役割があります。

  • 施工体制(どの会社がどの部分を担当するか)
  • 作業員の氏名・資格・健康状態
  • 安全管理の計画(どんな危険があり、どう防ぐか)
  • 教育・点検の実施記録

なぜ安全書類が必要なのか

安全書類の作成・提出が求められる背景には、法律上の根拠があります。

法令主な義務あてはまる場面
建設業法施工体制台帳の作成・備付け下請契約を結んだ工事
労働安全衛生法雇入れ時教育、作業主任者の選任など労働者を雇い入れたとき、危険な作業を行うとき

たとえば、労働安全衛生法第59条では、事業者は新しく雇い入れた労働者に対して安全衛生教育を行わなければならないと定められています。
「書類を出すこと自体が目的」と思われがちですが、本来の目的は、現場の事故を防ぎ、いざというときに責任の所在を明確にすることです。書類を作るプロセスそのものが、危険の洗い出しになります。

安全書類の主な種類

安全書類は大きく「施工体制関係」と「労務安全関係」の2つに分けられます。

施工体制関係(工事の進め方・体制を示す書類)

■ 施工体制台帳 
元請業者が作成し、工事現場に備え付けることが義務付けられている、施工体制の中核となる書類です。下請の会社名、工事内容、技術者の配置などが記載されます。

作成が必要となるラインは以下のとおりです(一般情報です。最新の法令・元請の指示を必ず確認してください)。

  • 公共工事:下請契約の金額に関わらず、下請契約を締結するすべての工事で作成が必要となる方向に制度が拡大されています
  • 民間工事:下請契約の請負代金合計額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)※2025年2月に下限が引き上げられました

■ 作業員名簿(全建統一様式第5号) 
現場で作業するすべての作業員を記載する名簿で、建設業法施行規則により施工体制台帳の一部として作成が義務付けられています。氏名・資格・社会保険加入状況などをまとめます。

■ 工事安全衛生計画書(全建統一様式第6号) 
工事全体の安全衛生管理の計画をまとめた書類で、元請が作成し下請へ示すものです。

このほか、施工体系図、再下請負通知書なども、工事内容に応じて作成・提出します。全建統一様式は、一般社団法人「全国建設業協会」が定めた標準様式で、多くの現場で使用されています。

労務安全関係(人の安全を守るための書類)

■ 安全衛生管理組織図 
現場の安全管理責任者の体制を示す図です。

■ 教育実施記録(雇入れ時教育・特別教育など) 
労働安全衛生法第59条に基づく雇入れ時の安全衛生教育のほか、危険有害業務に就かせる際の特別教育の実施記録です。

■ 作業主任者関係の書類 
つり足場や高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体など、一定の危険な作業では、作業主任者の選任が必要になります。選任した記録や職務の実施記録も書類として残します。

■ リスクアセスメント関連書類 
労働安全衛生法第28条の2にもとづき、事業者は危険性・有害性の調査(リスクアセスメント)を行い、その結果を災害防止対策に活かすことが求められています(努力義務)。建設業では、作業計画時などに実施し、その結果を記録として残します。

■ 日々の点検・確認記録 
足場の点検記録、クレーンなどの機械の定期自主検査記録など、作業日ごと・定期ごとの点検記録も安全書類の一部です。

※上記は一般的な分類です。現場ごとに元請の指定様式や追加書類が異なるため、「着工前に元請へ確認し、現場ごとの提出リストを明確にしておく」ことが最も重要です。

提出のタイミング

安全書類は、原則として着工前に作成・提出します。また、提出後も以下のタイミングで内容の更新が必要です。

  1. 工事内容が変わったとき
  2. 作業員が入れ替わったとき
  3. 元請から指示があったとき

「あとから作り足せばいい」と考えていると、入場当日に作業員が現場へ入れない、という事態になりかねません。余裕を持って準備するのが鉄則です。

保管期間はどのくらい?

安全書類の保管期間は、建設業法第40条の3で義務付けられており、原則5年間です。ただし、書類によっては異なります。

書類保管期間(目安)
施工体制台帳・作業員名簿原則5年(住宅新築工事は10年)
施工体系図10年
教育実施記録・点検記録など法令ごとに3年~(労働安全衛生法の書類は3年が中心)

※書類ごとに根拠法令が違い、保管年数も異なります。不明なものは行政や専門家に確認するのが安全です。

紙の書類からクラウドへ(電子化の動き)

近年は「グリーンサイト」に代表される、安全書類をインターネット上で作成・提出・確認できるクラウドサービスが普及し、現場の電子化が急速に進んでいます。
電子化のメリットは、書類の紛失防止、入力の二度手間削減、帳簿漏れの防止などです。
元請側も確認作業が効率化されるため、導入が進む現場が増えています。

まとめ

安全書類の全体像をまとめると、以下のとおりです。

  1. 安全書類(グリーンファイル)は「工事の体制」と「人の安全」を伝える書類一式
  2. 提出は原則着工前、変更があれば随時更新
  3. 根拠は建設業法・労働安全衛生法など。法的義務が背景にある
  4. 保管期間は原則5年(施工体系図は10年)
  5. 最近はグリーンサイトなどクラウドでの電子提出が主流に

安全書類は「作るのが面倒」と思われがちですが、現場の安全を守り、トラブルを未然に防ぐための大切な仕組みです。

RizzAssistでは、現役施工管理員が安全書類の作成を代行しています。「提出リストの作り方が分からない」「どの様式を使えばいいか不安」という方は、まず30分の無料相談をご利用ください。

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